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3月15日 #20 法人減税と企業

講義余禄

法人税改革の議論が本格化してきました。法人税率を引き下げると、単純に考えれば税収は減ってしまいます。代替財源の手当ては重要な課題です。日本経済新聞でも関連のニュースが目立ってきました。政府内では中小企業の節税策を縮小する案や株主への配当への課税を強化する案が浮上する一方、法人減税で税収が逆に伸びる「法人税のパラドックス(逆説)」と呼ぶ現象への注目も集まっているようです。
★「税率下げても税収伸びる?」(2014年2月3日)
★「配当への課税強化検討」(同年3月9日)
ただ、中小企業を中心に7割以上の企業が税金を払っていないとされるなか、減税と節税策の縮小などをセットで実施すれば、ほとんどの企業にとっては「増税」になる可能性もあります。景気にも悪い影響を与えかねません。2月下旬に日本経済新聞社とテレビ東京が実施した世論調査では、法人税率引き下げに「賛成」との回答が44%ある一方、「反対」も32%ありました。減税の効果を測りかねている人が多いのかもしれません。
★「法人税下げ 賛成44%」(同年2月24日)
★「中小の節税縮小検討」(同年3月2日)
また、大企業の手元にはすでに大量の資金が積みあがっています。3月期決算の上場企業の場合、昨年末時点の手元資金は70兆円を超えました。14年3月期の業績も多くのアナリストが1割程度の増益を予想しており、法人減税で使えるキャッシュが増えたとしても、金余りの状況がさらに進むだけです。もちろんせっかくの資金を寝かせているだけでは景気改善にはつながらず、企業自身の成長にも役立ちません。株式市場からのプレッシャーもあり、投資や株主配分の拡大に乗り出す企業も目立ってきました。減税はいわば国民全体に影響が及ぶ手段です。企業のお金の使い道を改めて考えるきっかけになるかもしれません。
★「企業の手元資金膨らむ」(同年1月16日)
★「株主配分 5年ぶり高水準」 (同年2月25日)



参考図書

タイトル 著者 出版社
デフレ下の法人課税改革 中里実 有斐閣
世界一わかりやすい 法人税の本 須田邦裕監修 日本実業出版社