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2月1日 #14 エネルギー政策

講義余禄

東京都知事選での原発を巡る議論に接して気づく方もいるかもしれませんが、一国のエネルギー政策を考えるうえで、電源の経済性や持続性を問う視点とともに、いつまでに最適解を実現するかという「時間軸」の視点が欠かせません。望ましいエネルギーバランスのイメージが固まったとしても、それを可能にする設備を短期間のうちに整備することは不可能だからです。まさに国家、そして国民自身の哲学と戦略性が問われる命題です。
この時間軸は、今回の講義でも触れたように、イノベーションによってガラリと変わります。日本に限ってみても、再生可能エネルギーの電源のメニューは数多くあります。風力、太陽光、地熱、潮力、メタンハイドレート、そして地域に根差した小水力・・・。その多くはいまだ発電効率やコストなどの課題を抱えていますが、将来の最適なエネルギーバランスを構成する要素として検討・研究し続ける価値はあるはずです。
一方、個々の電源の「質」を問う視点に加え、エネルギーを使う側の「姿勢」や「質」を問いなおす視点も必要です。つまり、最適なエネルギーバランスを追求する時間軸の中で、極力ムダを省いていこうという考え方です。日本は今、原発を停止していても大丈夫じゃないか、という声もありますが、それは多大なコストや重い環境負荷の上に成り立っている側面もあります。近年、スマートシティやスマートメーター、自家発電や売電といった話題を頻繁に目にしますが、最適なエネルギーバランスも、上手にエネルギーを使う意識と手段が浸透したうえで成立すべきもの、といえるでしょう。この使う側の省エネ手段も、イノベーションによって飛躍的に進歩する可能性があります。
日本経済新聞も原発再稼働や新エネルギーに関連する記事を数多く掲載しています。再稼働が遅れた場合の影響については、あくまで試算ながらこんな数字も紹介しています。
★「原発再稼働遅れれば・・・ 電気代25%上昇」 (2013年8月28日)
社説などでは経済再生の視点から原発再稼働を論じた記事が目立ちます。
★「原発政策にはリアリズムが必要だ」 (同年11月20日)
★「『原発ゼロ』転換の現実路線に残る課題」 (同年12月11日)
★「けいざい解読 都知事選と脱原発 経済再生と整合性は」 (2014年1月19日)
再生可能エネルギーや新エネルギー産業のイノベーションについては、期待を持ちつつも、様々な課題を挙げています。
★「経済教室 エネルギー新産業の課題」 (2013年10月14日)
★「風力や地熱も伸ばし新産業育てる制度に」(2014年1月21日)
新エネルギー普及への道のりは決して平たんではありません。
★「再生エネ買い取り価格 太陽光2年連続下げ」 (同年1月11日)
★「環境アセス短縮 風力・地熱発電で新手法」 (同年1月28)
夢の国産資源とも言われるメタンハイドレートに関してはこんな記事も。
★「『燃える氷』採掘 砂が阻む」 (2013年12月28日)
ただし、ここで挫折するわけにはいきません。粘り強く研究と挑戦を続けてほしいものです。
米国のシェール革命が及ぼす様々な波紋を報じた記事もあります。
★「米で原油輸出解禁論 シェール革命で」 (2014年1月9日)
★「シェール革命、中東救う?」 (同年1月24日)

参考図書

タイトル 著者 出版社
21世紀エネルギー革命の全貌 ジャン=マリー・シュヴァリエほか 作品社
再生可能エネルギーの真実 山家公雄 エネルギーフォーラム