1月18日 #12 米国の金融規制
2013年12月10日にFRBなど米金融当局が最終案を発表した「ボルカー・ルール」は、2008年に起きたリーマン・ショックの所産といえます。幸い、日本の銀行は、国際決済銀行(BIS)に事務局を置くバーゼル銀行監督委員会の策定した自己資本比率などに関する規制「バーゼルⅡ」を順守していたため傷は浅かったのですが、激震に見舞われた米国では、より厳格な規制を求める機運が高まったわけです。
もっとも、様々な「規制」には副作用がつきものです。今回の講義で触れたように、ボルカー・ルールも金融危機の再発防止に力点を置く反面、経済成長を阻害するなど「角を矯めて牛を殺す」ようなリスクが指摘されています。日本経済新聞の社説でも、こうした懸念について触れています。
★「米金融規制の厳格化に懸念が消えない」 (2013年12月16日)
リーマン・ショックを受けた規制強化の動きは米国にとどまりません。バーゼル委員会で合意された新たな規制の枠組み「バーゼルⅢ」などが挙げられます。非銀行の金融活動、シャドーバンキングへの規制の動きについては、日経新聞の経済教室面の連載コラム、「時事解析」でも取り上げています。
★「『影の銀行』規制始動」 (同年12月23~31日)
そもそも、一連の規制強化の動きを深く理解するためには、その原因となったリーマン・ショックそのものを改めて検証し、その後、何が起こったかを点検する必要があるでしょう。危機発生から一つの節目を迎えた昨年には、日経新聞にもこうした検証記事がいくつか掲載されています。
★「シリーズ検証 危機は去ったか リーマン・ショック5年」
(同年9月1日~12月29日)
★「経済教室 リーマン・ショックから5年㊤㊥㊦」 (同年9月11~13日)
●さて、前回の佐々木先生の講義(2013年12月14日「FRB」)をうけて、視聴者の方から次のような質問が寄せられました。
FRBの「FOMC(連邦公開市場委員会)」は日銀でいう「日本銀行政策委員会」と同様の物と考えていいのでしょうか。または「FOMC」と「日本銀行政策委員会」ではまったくの別物なのでしょうか。
佐々木先生からは以下のようなお答えをいただきました。
FRBのFOMCは日銀でいう日本銀行政策委員会と同様のものといえます。厳密にはアメリカの金融政策の公開市場操作を決定する委員会のことですが、現在、金融政策の中心は公開市場操作なのでアメリカの金融政策を決定する委員会ということになります。(公定歩合操作、預金準備率操作はFRBの理事会が決定することになっています。)
| タイトル | 著者 | 出版社 |
|---|---|---|
| 金融危機とプルーデンス政策 | 翁百合 | 日本経済新聞出版社 |
| グローバル金融規制の潮流 | 中空麻奈、川崎聖敬 | きんざい |

