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11月30日 #5 中国の経済改革

講義余禄

輸出主導から投資主導、そして消費主導へ。1978年の第11期3中全会で改革・開放路線が決定して以来、中国経済は市場経済の導入による経済発展を追求してきました。農業分野から着手された改革は製造業に及び、今や軸足はサービス・消費関連産業の強化に移ろうとしています。こうした発展の段階を踏みつつも、中国経済は時々の政治力学や社会状況により政策が大きく揺れ動きました。現政権の戦略を読み解くうえでも、共産主義と資本主義のハイブリッドで成長を目指してきた過去の経緯のおさらいは欠かせません。
近現代の歴史だけではありません。さらに遠い過去を振り返ると、秦を滅ぼした陳勝・呉広の乱に始まり、いくつもの農民の反乱が王朝を瓦解させてきました。中国を統治する指導者には、こうした人民の不満の爆発に対する恐れが想像以上に深く刻み込まれているのかもしれません。リーマン・ショック後、財政出動で経済成長の回復を果たしたとはいえ、国内には格差問題をはじめとする市民の不満が再び膨らみつつあります。そこでは「市場経済の行き過ぎ」をとなえる保守派の存在感も増しています。これらの「不満解消」を強く意識しながら、持続的な安定成長を目指すという、習指導部の微妙なかじ取りを世界が注目しています。
日本経済新聞では3中全会閉幕後の第一報に続き、中国経済が抱える様々な課題についてまとめた連載記事を11月に掲載しています。
★「中国、市場重視で改革」(2013年11月13日)
★「習体制1年 中国のゆくえ 1~5」(同11月13日~17日)
 また、世界第2位の経済大国となった中国経済の足元の変化を分析しているのが次の記事です。
★「変調中国 上・中・下」(同8月1日~3日)

参考図書

タイトル 著者 出版社
習近平に中国は変えられるか 日本経済新聞社編 日本経済新聞出版社
中国共産党の経済政策 柴田聡、長谷川貴弘 講談社