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11月9日 #2 規制改革

講義余録

その国の社会や経済にとって望ましい競争をいかに促すか――。こうした観点からも規制改革は重要であると、今回の講師を務められた安田洋祐・政策研究大学院大学助教授は語っておられます。改革を進める側にとっては、この「競争の効用」が依って立つ論理の一つといえます。
一方、規制を守る側の論理は様々です。「消費者の安全・安心」「既存業者の保護」「モノやサービスの安定供給」・・・・・。規制改革を進めるには、こうした意見の一つ一つに対して丁寧に反論するとともに、競争促進による国民の利便向上を明確に示す努力が必要です。ただ、今回の講義でも触れたとおり、改革による利益は「広く薄く」になりがちで、国民が今すぐ実感しにくいという課題があります。そのため、改革に反対する側に「競争のリスク」を声高に唱える余地が生じます。
大田弘子・政策研究大学院大学教授が日本経済新聞の「経済教室」で論じられているように、参入規制を緩める一方、業者らの事後評価を強化することも一つの考え方です。改革後に国民に不利益が生じないよう監視の目をこらし、場合によっては公正な競争を促す「良い規制」も整えること。同時に改革の効果を追跡し、その情報を公開し続けること。改革の推進には、政府がこういった姿勢を国民に明示することも必要でしょう。

日本経済新聞では4月以降、3回にわたり「規制 岩盤を崩す」といったタイトルの連載記事を1面に掲載しています。
★「規制 岩盤を崩す」(2013年4月3日~8日)
★「同 エネルギーの明日へ」(同6月5日~11日)
★「同 成長戦略の忘れ物」(同9月13日~16日)
4月7日には、今回の講義でピックアップした「経済教室」を執筆された大田弘子教授と八代尚宏・国際基督教大学客員教授の対談が掲載されています。

参考図書

タイトル 著者 出版社
資本主義と自由 ミルトン・フリードマン 日経BP社
セイヴィング キャピタリズム ラグラム・ラジャン、
ルイジ・ジンガレス
慶應義塾大学出版会