










7月21日(日)
#66「吉野の里 丹生川上(にうかわかみ)神社・
三社(さんしゃ)巡り・2時間スペシャル」
今回ご紹介するのは、桜の名所として知られる奈良県吉野郡「吉野山」の麓に、それぞれ鎮座する
「丹生川上神社」。上社・中社・下社。
三社は、数奇な運命を辿ったお宮として知られます。
初代・神武天皇が東征の際、戦勝を占った聖地、吉野。飛鳥時代の第40代・天武天皇の御代に
「人の声が聞こえない奥深い山に、神の宿る柱を立て祀れば、雨をよく司る」と神託を受け、創建された。
平安時代に入ると、朝廷から雨乞いには黒馬、晴れを乞うときには白馬を献上するようになり、
水の神として朝廷から厚く保護されてきた。
しかし、応仁の乱が起こり、混乱の世が続くと、神社は所在すら消息を失う。
そんな中、そんな丹生川上神社の流れを組む三社、「川上神社」と称された上社、「雨師の明神」「蟻通
さん」と称された中社、「丹生社」と称された下社はそれぞれに鎮まってきた。
そして明治時代、神社合祀令が出された際に、吉野の里に鎮座し、それぞれが水神をまつっていた三社のどこが丹生川上神社かという論争が巻き起こった。しかし、どこが丹生川上神社か、という答えは
出ず、時の政府は「三社ともに丹生川上神社である」という結論を出し、三社共に官幣大社となった。
以後、上社・中社・下社に分かれ、それぞれ水神をまつるお宮として今に至ります。
平成25年4月末に、吉野地域の歴史や文化を知ってもらおうと、戦後初めて三社が協力して観光振興を
開始した。参拝すると各社それぞれで「三社めぐりお守り」を発行し、三社そろうと結願神符を無料で
渡すという取り組み。吉野を代表する3つの神社がさらに今、注目度を増している。
そんな三社をつなぐのは、新緑の吉野の里を代表する景観美を誇り、古から人々に愛されてきた「吉野川」。
今回は、そんな美しい吉野川を下りながら、水神をまつる丹生川上神社・三社を巡ります。