地球温暖化への対策・省エネルギーなど、環境問題が21世紀の大きな課題となっており、専門家たちは、「経済活動の起点となる、大企業による環境対策が重要。なかでもつくる時、利用する時の両方で環境に負荷をかけてしまう自動車メーカーの役割は大きい。」と見ています。
 9/30日(土)よる6時から放送する『夢のスモールカーへ〜技術者たちの挑戦〜』では、「(環境負荷を減らすことにとどまらず)走れば走るほど、まわりの空気がキレイになるクルマをつくりたい」という夢を現実のモノにしようとするひとりの技術者を主人公に、国内外の研究機関・企業といっしょに、「新しいモノ・技術」を生みだそうとする姿を描きます。


ダイハツ工業(株) 
先行技術開発部 工学博士
田中裕久さん
スーパーインテリジェント触媒
■番組の主人公・田中裕久さん(48才)

世界放浪の末、31才で自動車メーカー・
ダイハツに入社した田中さん。その後はたらきながら、40才を超えて東大・大学院で博士号を取り、世界を舞台に第一線で先進的研究にあたっています。

田中さんの主な仕事は、クルマの排気ガスを浄化する、自動車用触媒の研究・開発です。クルマの排気ガスを、パラジウム、ロジウム、プラチナといった貴金属を化学反応させて浄化する自動車用触媒は、「排気ガスを浄化すること」と「省資源・製造コスト削減のために貴金属の使用量を減らすこと」の両立が大きな課題でした。田中さんはその解決のために、ひとつの方法を考え出します。それが、「排気ガスを浄化し続けて劣化した貴金属を、『自己再生』させること」でした。 「働いて疲れた貴金属のために、休む家をつくってあげればよい」そんな田中さんの発想の源は、どこにあったのかを探っていきます。

■田中さんと共同研究をする人々@
田中さんが考えた、貴金属が自己再生する『スーパーインテリジェント触媒』は、まわりの共同研究者たちによって支えられ実現しました。その開発に大きな役割を果たしたのが、兵庫県にあるSPring‐8という大きな研究施設です。ここでの共同研究により、貴金属が自己再生する仕組みが証明され、その内容は科学誌ネイチャーにも掲載されました。

SPring‐8・・・
兵庫県にある、世界に誇る大型放射光施設
(独)日本原子力研究開発機構
放射光科学研究ユニット ユニット長
理学博士 水木純一郎さん
(独)日本原子力研究開発機構
主任研究員 
理学博士 西畑保雄さん

2002年、パラジウムが自己再生する仕組みを、田中さんたちとネイチャーに論文発表。

■田中さんと共同研究をする人々A
実際に、スーパーインテリジェント触媒を製造するのは、自動車用触媒メーカーのキャタラー。
田中さんたちの研究チームと国内外で合宿・共同研究を行い、実用量産化にこぎつけました。
(株)キャタラー 第1研究開発部
木村希夫さん

豊田中央研究所時代に、田中さんの研究に大きなヒントを与えた人物。
(株)キャタラー 第4研究開発部
成田慶一さん

研究開発のピークにはダイハツに常駐。国内外で共同研究を行う。

■ダイハツの研究チーム
先行技術開発部 工学博士
丹功さん

「社内外のチームワークが成功のカギ。(談) 」
先行技術開発部 工学博士
上西真里さん

「研究の初期から参加。子育てしながらの研究開発により、環境技術について大切さを実感。(談) 」
先行技術開発部
谷口昌司さん

番組内ではケンブリッジ大学へ田中さんと同行。

■スモールカーの環境技術
環境に配慮しながら、満足の行く走行性能を得ること。 この課題を達成するために、ダイハツのESSEには、KF‐VEエンジン、スーパーインテリジェント触媒、触媒早期活性化システムを搭載しています。番組では、いかに環境技術と走りの両立を達成しているか、明らかにしていきます。

モータージャーナリスト 岩貞るみこさん

「低燃費や環境技術によって、スモールカーが注目を浴びている。(談) 」

KF‐VEエンジン、スーパーインテリジェント触媒、触媒早期活性化システムを搭載したESSE。

■世界が注目する「スーパーインテリジェント触媒」
40歳を超えて工学博士となった田中さんは、活躍の舞台を世界へと広げていきます。科学誌ネイチャーへの論文掲載がきっかけとなり、ケンブリッジ大学では田中さんたちの触媒を自動車以外の製造分野に生かそう、という共同研究が始まり、その第一歩として、医薬品製造での展開が実現しました。次のステージを迎えようとする田中さんたちの研究風景を取材します。

(独)製品評価技術基盤機構 理事長
東京大学名誉教授
御園生誠さん

東京大学大学院で、田中さんの博士研究を指導。現在は先進技術と産業界を結ぶために尽力。
ケンブリッジ大学
マーティン・スミス博士

ケンブリッジ大学でスティーブン・レイ教授とともに、田中さんたちの触媒研究を他分野で生かせないか、研究を重ねている。
■レポーター紹介
■松岡洋子

番組ではダイハツ滋賀テクニカルセンターでのダイハツ研究チームの取材を担当。経済番組からトークバラエティまで幅広いジャンルをカバーし、BSジャパン「Good Sound!! Cafe」では、グッサンこと山口智充さんのアシスタントをつとめています。
■大道寛子

番組ではESSE試乗レポートと、ダイハツ本社取材を担当。ドイツW杯直前には、NHK・BS1「実践ガイド2006FIFAワールドカップ」で日比野克彦さんのアシスタントをつとめました。