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1998年、インドネシアは未曾有の危機に見舞われていた。前の年に発生した、タイバーツ暴落に端を発するアジア通貨危機は、この国の経済を破綻の淵へと追い詰め、やがて多くの死傷者を出す大暴動に発展。遂には、30年の長きに及ぶスハルト政権をも崩壊させてしまう・・。そのさ中、現地駐在員の命を預かる男は、一刻を争う決断を迫られていた・・。男の名は、ライオン社長、藤重貞慶。彼が下した決断は、後に海外市場を切りひらく礎となる…。1891年、初代小林富次郎が東京神田に石鹸やマッチの原料を扱う取次店を開設。以後、119年に渡り、日常生活に欠かせない商品で日本人の暮らしを支え続けてきたライオン。この日本屈指の伝統企業で、2004年、創業家以外としては初の生え抜き社長に就任。成長基盤の強化と、収益力の向上に向けた数々の施策を断行した凄腕経営者が藤重貞慶である。年間売上高およそ3200億円、5800人に及ぶ従業員を擁する巨大企業を率いる彼は、これまで様々なヒット商品を仕掛け、会社躍進の一翼を担ってきた。その藤重が、ライオンに入社した意外なきっかけとは?そして大暴動のさ中、その後の未来を見通し下した決断とは!?
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