銅、セメントなどの素材から、自動車産業・航空宇宙産業向け金属加工製品、電子材料など幅広い分野でグローバルに躍進を続ける総合素材メーカー、三菱マテリアル。年間およそ1兆4,000億円を売り上げる、非鉄最大手のリーディング・カンパニーである。三菱マテリアルの原点は、岩崎彌太郎が興した三菱商会が、1873年に岡山県の吉岡鉱山を買収したことに遡る。1918年、炭鉱と鉱山を経営する三菱鉱業が独立。戦後の財閥解体により炭鉱と鉱山が分離し、炭鉱は三菱鉱業へ、鉱山は太平(たいへい)鉱業 後の三菱金属に分離された。その後、40年を経た1990年、この両社は再度合併して三菱マテリアルとして発足。日本の非鉄産業を牽引し続けてきた。1990年代後半、長引く不況、商品価格の低迷などで業績が悪化。2002年には600億円以上もの最終損失を計上し会社は存亡の危機に直面していた。そんな時期に構造改革の責任者に就任し、全社の再構築を断行。会社復活への基盤を築き、2004年社長に就任したのが井手明彦である。炭坑勤務の父親について各地を転々とした少年時代。人跡未踏のジャングルを切り開き開発した大規模鉱山を自らの手で整理せざるを得なかった若き日。会社の生き残りを賭けて改革を押し進めた苦難の日々。「事業成功のためには2種類の人間が必要だ」その2種類の人間とは?井手明彦の経営哲学と波乱の人生に迫る。
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