| 今日のトップは株式会社ツムラ代表取締役社長 芳井 順一(よしい・じゅんいち)58歳。
ツムラは1893年創業、100年以上の歴史を持つ医療用漢方の老舗。
様々なエキスから抽出される漢方はその数129品目、国内シェア8割を占める業界最大手である。
ヘアケアやキッチン、入浴剤の「バスクリン」まで「自然と健康を科学する」をキャッチフレーズに様々な家庭用品も販売。
近年は「漢方医学の確立」を掲げ、全国80の医大・医学部で漢方教育の支援を続けるエクセレントカンパニーである。
芳井は1995年、第一製薬からツムラ再建のために乗り込んだ。
漢方を知らない新参者と最初反発をうけたが、2004年に社長に就任。見事ツムラの再生を果たす。
新薬の世界にいた男が、今では漢方普及の旗手として業界をリードする。
再生請負人、芳井順一の経営哲学と原点に迫る。
1995年(平成7年)、芳井は、ツムラの建て直しに第一製薬から移ってくる。
ここで芳井はツムラ再建に向けて子会社を整理し、リストラを進めた。
そして、落ち込んだ業績を回復すべく、1997年、医薬営業本部長に就任する。
このころ、漢方は一部の医師が使うマニアックな薬という認識しかされていなかった。
芳井は思う。「このままではダメだ。漢方が一般的な医療として認められなければツムラの未来はない」。
芳井はそこから、全国に80ある大学医学部のカリキュラムに漢方の授業を入れてもらうため精力的に働きかけた。
その試みは成功し、今ではすべての大学で漢方の授業が行われるようになった。
一方で、すでに開業している医師たちにも普及を目指す。
だが、漢方をすべて理解し症状にあわせた処方をするのは難しい。
そこで芳井は、症状にあう即効性のある薬を一点だけ集中的に紹介し、まずは効能を体験してもらうという営業を展開した。これにより漢方を使う医師は急速に増えていった。
だが、漢方の理解を深めるにはさらなる対応が必要だ。
芳井は一計を案じ決断を下す。しかし、それは業界の常識になく社員からも猛反発をくらうものだった。
果たして芳井が下した驚くべき決断とは!? |