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直撃! トップの決断 バックナンバー 司会:長谷川洋三 アシスタント:相沢礼子

■放送日 8月21日

三井住友海上火災保険株式会社 取締役社長 共同最高経営責任者 植村 裕之

長期低迷にあえぐ日本経済の中でも、元気な会社がある。そういった会社にはたいてい、波乱万丈、艱難辛苦を乗り越えてきた改革精神旺盛なトップがいる。
この番組では、「年功序列」「終身雇用」が崩壊し、かつてない競争社会に身をおく私たちにとって、最高の「教材」である企業トップの生の声を聞き、その半生から激動の時代を力強く生きぬくための方法を学ぶ。司会は近著に「ウェルチが日本を変える」「ゴーンさんの下で働きたいですか」などがある日本経済新聞社編集委員・長谷川洋三。長年の新聞記者経験を生かし、経営者に鋭く迫る。

今回のトップは三井住友海上火災保険株式会社 取締役社長 共同最高経営責任者 植村 裕之(うえむら・ひろゆき)(63歳)

2001年、に誕生した三井住友海上。金融の自由化・再編成の流れを受け、三井と住友、旧財閥同士が一つになった。合併後、順調に業績を伸ばし、国内トップの座を虎視眈々と狙う。
三井住友海上は自由化の中、生保事業にも乗り出す。
また、終身医療保険、ガン保険なども好調な売れ行きを見せている。
アジアはもちろん中国やロシア、ブラジルにも進出。
グローバル化も推し進め、世界トップ水準の総合金融機関を目指すエクセレントカンパニーだ。
植村が住友海上社長に就任したのは1998年。
「新しい時代の新しいリーダー」として5人抜きで抜擢された。
植村は言う。「重要なのは主張する勇気、チャレンジする精神」
言葉どおり、三井との合併を成し遂げ、自由化の荒波へと乗りだしていく。
組織の大切さを知った慶応大学応援指導部時代。
会社への帰り道、涙した営業時代。
競争激化する金融業界で、さらなる躍進を続ける、植村裕之の原点と決断に迫る。 
直撃トップの決断!


1942年(昭和17年)、植村は3人兄弟の長男として(東京に)生まれる。
小学校の頃は、クラス委員をしたり、かけっこで大会に出場するなど活発な子供時代を過ごした。
中、高は麻布学園で学ぶ。夏目漱石や太宰治を読みふけり、プレスリーに熱狂し、ジェームズ・ディーンに憧れる青春時代だった。
浪人時代、神宮球場で観た早慶戦で、慶応の応援の素晴らしさに魅了され、1961年(昭和36年)、慶応大学に入学。入学後、植村もすぐ応援指導部に入る。
慶応の応援指導部は普通の応援団と違い、自分たちが応援するのではなく、観客の応援を指導するのだ。
自分のリードだけで応援する学生を一つにすることに植村は酔いしれた。
しかし、応援指導部は上下関係も指導も厳しく、1年目の合宿でほとんどが辞めてしまう。最初40人いた部員も最後まで残ったのはわずか8人。
時間に遅れ、砂利道で長時間正座をさせられたこともあった。
だが、このことから、植村は組織というものの重要性を教えられることになる。

住友海上で植村は営業部に配属。だが、植村はこの営業が大の苦手だった。
関係の薄い得意先へは中々入って行くことが出来ず、ビルの周りをウロウロする。覚悟を決めて担当者のところへ行くも、相手がいなくてホッとしたこともあった。
「このままじゃいけない。」ここから植村はセールスの猛勉強を始める。
話し方教室に通ったり、セールスの本を読み漁ったり、どうしたら話を聞いてもらえるか、常に考えるようになった。そして、植村は一計を案じる。
得意先で話す際、あらかじめ練っていたシナリオに沿って話を進め、勝手に自分で宿題を作ってしまうのだ。次に行く時にその回答を持って行く。
これを何回も続ける。その熱意に担当者も次第にほだされるようになる。
最後には、関係の薄かった会社から突然注文の依頼が来る。
「がんばれよ」植村は担当者から最後に声を掛けられた。会社への帰り道、植村は一人涙した。

1996年、金融界に大きな変革が起こる。
金融ビッグバンで保険、銀行、証券の垣根がなくなり、大きな自由化の波が始まろうとしていた。
一方で、1997年には山一證券、北海道拓殖銀行、日産生命が相次いで破綻。世の中は金融不安に陥っていた。当時専務の植村は考えた。
この平成不況と保険料率の自由化を乗り切るには資本の強化と、グローバル化が不可欠だ。その為には他社との合併が必須なのではないか。
そんな矢先、1998年、植村は社長に就任する。すぐに自動車保険の自由化も実施され、競争も激化していく。合併をするなら急がなければならない。そこへ、三井海上、日本火災、興亜火災3社の合併が発表される。さらに、ここに住友海上も加わらないかと打診が来る。植村は悩む。この合併に乗れば日本一の保険会社になれる。
もし、この波に乗れなければ住友海上は取り残されるだろう。だが、果たして4社統合で成功するのだろうか。
植村は、すぐに役員はもとより社員の一人一人にまで直接意見を聞いて回った。そして植村は決心をする。「今回の合併には加わらない。」
果たして、この決断に秘められた植村の真意とは!?

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