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2016.03.27
名家の邸宅めぐり ~近代日本の建築美~

今回ご案内するのは、国の重要文化財にも指定されている、皇族や華族が住んでいた優雅な近代建築。
港区白金台にあり、東京都庭園美術館として親しまれている「旧朝香宮邸」。
そして、目黒区の駒場公園の中にある、加賀百万石で知られる旧加賀藩主・前田家の住まいだった「旧前田家本邸・洋館」をご紹介する。
朝香宮邸はフランスの「アール・デコ様式」、前田家本邸は、イギリスの「チューダー様式」を取り入れ、どちらも近代日本を象徴する洋館。エレガントで豪華な造りの名建築に隠された近代日本の歩みを紐解いていく。

  • 旧前田家本邸 洋館西面
  • 東京都庭園美術館 本館 正面外観

最初にご案内するのは、東京都港区白金台にある「東京都庭園美術館」の本館としてお馴染の「旧朝香宮邸」。明治時代、久邇宮朝彦親王の第8王子・鳩彦王が1906年に創立した宮家・朝香宮邸として、1933年に建てられたものをそのまま美術館として公開している。フランスのガラス工芸家ルネ・ラリックのガラスレリーフが施された「正面玄関」や、整然と配置された天井の照明が印象的な「大広間」。フランスの建築家、アンリ・ラパンがデザインした「香水塔」が置かれた「次間」、最もアール・デコの粋が集められているという「大客室」など、豪華な部屋が次々と現われる。
そのほか、「大食堂」、「二階広間」、「書斎」、殿下と妃殿下、それぞれの「居間」など、往時の生活を偲ばせる部屋もご案内する。

  • 東京都庭園美術館 本館 大客室
  • 東京都庭園美術館 本館 大食堂
  • 東京都庭園美術館 本館 大食堂扉

続いてご紹介する名建築は、目黒区の駒場公園内にある「旧前田家本邸」の洋館。
イギリスのカントリーハウスを思わせる外観。スクラッチタイルの壁と、張り出した車寄せにとんがり屋根の塔が印象的だ。加賀百万石・前田家の第16代当主・前田利為の本邸として、昭和初期の1929年に建築された。
イギリス後期のゴシック様式を簡略化した「チューダー様式」で建てられた邸宅で、国の重要文化財に指定されている。
外交団や皇族を招くパーティーが催される社交の場であった1階、家族の生活の場で、夫妻の寝室や、家族の団欒室でもあった婦人室、子供室などがある2階もご紹介する。
どうぞお楽しみに。

  • 旧前田家本邸 洋館玄関ホール
  • 旧前田家本邸 洋館書斎
  • 旧前田家本邸 洋館寝室

※「旧朝香宮邸」写真提供:東京都庭園美術館
※「旧前田家本邸・洋館」写真提供:東京都教育庁地域教育支援部管理課文化財保護係