20
2015.11.22
世界遺産・国宝の名刹 ~京都・宇治 平等院~

今回ご案内するのは、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録される平等院。
10円玉に描かれる国宝・鳳凰堂を有する古刹。2014年10月に修復を終え、平安時代の色鮮やかな姿が復元された。
京都府南部宇治市、府下第二の都市。日本三大茶として知られる宇治茶でも有名。農業と住宅地が広がる。

  • 興聖寺琴坂

平等院は、藤原頼道が平安時代に開基した古刹。京都の中心部から宇治はおよそ20キロ。
市内を二分するように流れ、平等院とも深い関係があるのが「宇治川」。
滋賀県南西部から京都府南部を流れる、琵琶湖を水源とする川。淀川の通称で、中流部を宇治川と呼ばれている。

  • 天ヶ瀬ダム
  • 天ヶ瀬ダム
  • 天ケ瀬吊橋

宇治川の象徴ともいえるのが、わが国最古級の橋「宇治橋」。桧造りの高欄は、橋の姿が宇治川の自然や橋周辺の歴史遺産と調和するように、擬宝珠を冠した木製高覧という伝統的な形状になっている。

  • 宇治橋
  • 宇治川

上流側に張り出した「三の間」は、豊臣秀吉が茶の湯に使う水を汲ませたところともいわれ、眺めは絶景。

  • 宇治橋三の間

この三の間から見える小島は「塔の島」。
川に浮かぶ島は、宇治川を代表する場所。鵜飼いや舟遊びなど多くの観光客が訪れる。
塔の島にそびえる「十三重石塔」、高さ15メートルの石塔。石塔としてはわが国最大で、重要文化財に指定されている。
平安時代半ばに紫式部が書いた、全五十四帖からなる長篇小説「源氏物語」。その最後の十帖の舞台となったのが宇治。なぜ京の都ではなく宇治だったのか。その答えは、平等院が教えてくれる。
国宝「平等院」。昭和26年に10円玉のデザインに選ばれて以来、国の顔ともいえる硬貨に描かれている。平安時代後期にあたる西暦1053年に、時の関白・藤原頼通によって建立された阿弥陀堂は華やかな藤原摂関時代をしのぶことのできるほとんど唯一の遺構。

  • 平等院鳳凰堂.

最大の特徴は池の中島に建てられていることで、あたかも極楽の宝池に浮かぶ宮殿のよう。
美しい姿を水面に映しだす。この池は、宇治川から水を引き入れて造られた。
堂内には、金色の阿弥陀如来坐像が鎮座し、平安時代の人々は、鳳凰堂を地上に出現した極楽浄土ととらえていた。
そんな鳳凰堂で見逃せないのは、屋根の上にある金色の鳳凰像。ちなみにこの鳳凰は、10円玉に小さくデザインされているだけでなく、1万円紙幣にも描かれている。
贅を尽くした豪壮なお堂。実は、平等院は、建立した藤原頼通が、父・道長から譲り受けた別荘だったのだ。道長は、「源氏物語」の主人公・光源氏のモデルとなった人物といわれる。宇治は、雅な人たちが都から羽を伸ばしにくる別荘地だった。

  • 平等院鳳凰堂

平等院は、全盛期の藤原氏が栄華を誇り建てた別荘だったため、これほど趣向を凝らした美しい建築になっているのだ。
東側を向く鳳凰堂の美しい光景は、お堂越しに沈む夕日。
およそ1000年前に建立された建造物や仏像が今に伝えられる古刹「平等院」。修復され、平安期の華麗な佇まいが復元された。夕陽に照らし出されたその姿は、まさに鳳凰が羽ばたいているかのようである。