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2015.11.15
神秘の朱 千本鳥居 ~京都・伏見稲荷大社~

今回ご案内するのは、全国に3万社を数える、“おいなりさん”こと稲荷神社の総本宮、「伏見稲荷大社」。商売繁盛の神として馴染み深い神社。
鎮座しているのは、京都府京都市、伏見区。桃山時代には伏見城の城下町として、江戸時代には淀川水運の重要な港町、宿場町として栄えた。
そんな伏見稲荷大社の代名詞的な風景と言えば「千本鳥居」。神域にはなんと大小含めおよそ1万基を越える鳥居があるという。膨大な数だが、なぜこんなにあるのか。26万坪にも及ぶ境内を巡りながら、紐解いて参りましょう。

  • 千本鳥居
  • 千本鳥居

楼門は、安土桃山時代、豊臣秀吉によって造営された、入母屋造・二層の建物。国内でも最大級の大きさともいわれる。秀吉の母・大政所の病気祈願が成就すれば一万石寄進する、と記した古文書も残る。門前には狛犬ならぬ狐。

  • 楼門

外楼門と同じく安土桃山時代に造営され、江戸時代末期に改築された。外拝殿の軒先には12個の鉄製釣灯篭が吊られている。灯篭の図柄は、黄道の十二の星座である十二宮を表している。

  • 外拝殿

国の重要文化財建造物「御茶屋」。江戸時代初期、御所にあった古御殿のひとつで、宮中に仕えていた伏見稲荷大社の祠官が、第108代・後(ご)水尾(みずのお)天皇から下賜された御殿。
「内拝殿」は江戸時代初期に再建され、昭和36年に本殿から切り離し、現在の形になった。参拝、ご祈祷などを受ける場所。
「本殿」は 商売繁盛のご利益で信仰される稲荷大神をまつる。応仁の乱の兵火により、境内の社殿等すべて焼失。諸国へ勧進が行われ、焼失からおよそ30年後に再興された。

  • 社殿

五間社流造の国内有数の大きな本殿。装飾も見事で、「懸魚」の金覆輪や、「垂木鼻」の飾金具、前拝に付けられた「蟇股」など、桃山期の豪華な彫刻が施されている。国の重要文化財指定。
「稲荷山」は京都盆地の東側にある山々を総称する「東山(ひがしやま)三十六(さんじゅうろっ)峰(ぽう)」。その最南端に位置する山で、標高は233m。伏見稲荷大社の神体山。この稲荷山を含め、境内はおよそ26万坪。この稲荷山への参拝を「お山巡り」といい、山中に千本稲荷が建ち並ぶ。朱色の鳥居がぎっしりと並び立つ、伏見稲荷大社の代名詞的な光景。
美しい千本鳥居だが、実はさらに圧巻の光景がお山にある。「奥社奉拝所」は千本鳥居をぬけたところにあり、「奥の院」の名で知られる。この奥社奉拝所はお山を遥拝するところでもある。
四ツ辻、ここからは稲荷山にある七つの神蹟を巡る。

一つ目の神蹟「荒神峯(こうじんがみね)」
四ツ辻から、鳥居が続く坂道を上がっていくと、七つのうちの一つ「荒神峯」。下社の摂社・田中(たなかの)大神(おおかみ)の神蹟。かつて神が降臨した盤座が神蹟と呼ばれている。

二つ目の神蹟「御膳(ごぜん)谷(だに)奉拝所」
「御前谷」とも記され、稲荷山三ヶ峰(みつがみね)の北背後にあたり、往古はここに御饗殿(みあえどの)と御竈(みかま)殿(どの)があって三ヶ峰にお供えものをした所と伝えられる。これから向かう、一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰を拝する要の所。

三つ目の神蹟「御劔社」
この神蹟は、稲荷山の三つの峰と同じように、古くからの神祭りの場であったと伝わる。

四つ目の神蹟「一ノ峰(いちのみね)」
稲荷山の最高峰、標高233メートルに鎮まるお社。本殿にまつられる五柱の神々の一柱で、上社のご祭神、大宮能売大神の神蹟。

五つ目の神蹟「二ノ峰」
中社のご祭神、佐田彦大神の神蹟。

六つ目の神蹟「間ノ峰(あいのみね)」荷田(かだ)社神蹟
神域入り口に建つ石鳥居は、「奴祢(ぬね)鳥居(とりい)」と称し、額束(がくづか)の両側に合掌状の破風(はふ)扠首束(さすつか)をはめた特異な形をしている。

七つ目の神蹟「三ノ峰」下社神蹟
「下社」にまつられる伏見稲荷大社の主祭神・宇迦之御魂大神の神蹟。明治20年代の半ばごろ、ここから変形神獣鏡が出土した。現在東京国立博物館に所蔵されている。 1万基以上に及ぶ鳥居。これは、参拝者の願い事が「通る」あるいは、「通った」という御礼の意味から奉納されたもの。江戸時代から続く民間信仰が造りだした美しき日本百景。

  • 表参道