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2015.10.18
御釜と樹氷の神秘 ~宮城・山形 蔵王~

今回ご案内するのは、日本指折りのスキーの名所としても知られる、東北の避暑地、「蔵王連峰」。
日本百名山、国定公園に指定されている。蔵王連峰があるのは、山形と宮城の県境、東北地方の中央を南北に連なる奥羽山脈の一部。今回は、蔵王連峰の最高峰、熊野岳を中心にご紹介。蔵王の代名詞と言えば「御釜」。別名「五色沼」ともいわれ、天候などの諸条件によってエメラルドグリーンや瑠璃色などに湖面の色が変わることから「五色沼」とも呼ばれる。

  • 蔵王御釜

蔵王連峰は有史以来40数回の火山活動があり、直近では昭和37年に観測。常時観測対象となっている。
最高峰の熊野岳と、その隣にそびえる鳥兜山。二つの名山の玄関口が山麓の標高900Mにある蔵王温泉。国内指折りの規模を誇るスキー場があることから、冬はスキー客で賑わう。開湯は1900年前と伝わる。東北屈指の規模と歴史を誇る温泉地で、“東北の草津”と称される。蔵王温泉の町にひっそりとたたずむ湖「鴫(しぎ)の谷地(やち)沼(ぬま)」。春は群生する水芭蕉の絶景を求める多くの観光客で賑わう。蔵王中央ロープウェイを使い山麓の蔵王温泉街から、わずか7分間の空中散歩で鳥兜山頂に到着。展望台からは、眼下に蔵王温泉街、その遠方には、山形県の主峰・鳥海山、月山や朝日・飯豊・吾妻の各連峰、そして蔵王連峰の地蔵山又、三宝荒神山の断崖などが一望できる360度の大パノラマが楽しめる。

  • 蔵王温泉

蔵王連峰が生みだす豊かな水の恵み。山麓には名瀑も多くある。滝見台から見る二つの名瀑は日本の滝百選に選定されている「三階滝」。後烏帽子岳東面を流れる石子沢から澄川へ細く三段になって落ちるため三階滝と呼ばれている。
「不動滝」は蔵王山中の瀑布のうち、最も規模の大きな滝で、水量が多く、しかも深山の中の滝といった趣があり、数多くの文人墨客に親しまれた。蔵王連峰の最高峰、熊野岳は夏はトレッキングや登山客、冬は樹氷観光とスキー客で賑わう。四季折々の表情を見せる蔵王。冬になると一変、「アイスモンスター」に覆われる。美しき日本百景「樹氷」冬の風物詩。蔵王に自生しているアオモリトドマツの葉に強い西風に乗った氷の粒が衝突してできる。そんな樹氷は、東北地方の奥羽山脈の一部の山域(八甲田山、八幡平、蔵王連峰、吾妻山)の亜高山地帯にしか確認されず、海外でもはっきりした報告はないという珍しい現象。

  • 樹氷

蔵王地蔵尊は、荒ぶる山の神々を鎮め、諸願成就・災難よけとして、山麓の宝沢地区の庄屋によって、37年もの長い歳月をかけて建立された。
蔵王連峰の最高峰・熊野岳。同じ山形にあり、山岳信仰で知られる出羽三山は「西のお山」、蔵王山は「東のお山」と呼ばれ、信仰を集めた。

  • 蔵王地蔵尊

美しき日本百景「御釜(おかま)」。
蔵王五色岳にある火山湖で、天候等諸条件によってエメラルドグリーン調や瑠璃色調に湖面の色が変わることから「五色沼」とも呼ばれる、蔵王のシンボル。1182年の噴火で火口ができ、1820年の鳴動で水が溜まり始めたといわれる。硫黄成分が非常に多い。そのため、水のPHは3.5。レモンと同じくらいの酸性度で、生き物は住めない。しかし単細胞生物のケイ藻類で、酸性に順応した藻は生息している。その藻の緑と硫黄成分が混ざり合うことできれいなエメラルドグリーンとなり、さらに、太陽の光の角度によって様々な色に見えるという。まさに自然美。地球の偉大さを感じさせる。

  • 御釜