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2015.09.06
知床いきもの紀行 ~北海道の世界遺産~

今回ご案内するのは、世界自然遺産にも登録されている国立公園、北海道・知床。雄大な北の大地に、手つかずの原生林が広がる。知床は、日本で初めて、海岸線からおよそ3キロ沖まで登録地域となった自然遺産。
原生林だけでなく、周辺の海にも生き物たちが住んでいる。
冬の流氷で知られる知床だが、今回は、陸と海、それぞれから、知床の生き物の姿を追う。

  • キタキツネ

標高1661mの羅臼岳をはじめとした壮大な山々が連なる知床。半島は全域が国立公園に指定され、居住地区や公園利用エリアである「中央部地区」と、手つかずの原生林がそのままに残る「先端部地区」に分けられている。そんな先端部地区の近くで、知床の生き物に出会えるお勧めのスポットは「知床五湖」知床連山のふもとに点在する五つの湖。
昔、神様が大地に手をついたときに出来た指のくぼみが、5つの湖になったという伝説が残る。地下には知床連山の伏流水が流れ、たえまなく湖に湧き出しているので川がないが湖の水が枯れることはないという。そんな地上遊歩道沿いの木々には、ヒグマの爪痕、クマゲラの開けた穴などが見られ、動物たちの生活が身近に感じられる。

  • ヒグマ

さらに、かなりの高確率でエゾシカに出会う。真夏の8月に「ジー」という鳴き声を森に響かせるコエゾゼミ。広島より北の本州、北海道に生息する中型のセミ。湖では、ネムロコウホネが鮮やかな黄色の花をつける。
根室地区で発見されたスイレン科の植物で、絶滅危惧種に指定されているが、自然が守られている知床ではポピュラーな夏の花。

  • エゾシカ
  • ネムロコウホネ

知床半島の南側に位置する目梨郡羅臼町。知床観光の拠点は斜里やウトロだが、羅臼にも素晴らしい名所が点在。羅臼岳、標高1661m。知床連山の最高峰。三角形の美しい山容が特徴。日本百名山にも選ばれている名峰。高山植物の宝庫として知られる。北海道のイメージキャラクターにもなっているキタキツネの姿をよく見かける。
熊越の滝、国道334号を知床峠から羅臼方面へ行った、森の中にある滝。落差は15m。昔、熊が滝を越えて往来したことから「熊越の滝」と名付けられた。南の羅臼で海の生き物ウオッチング。
海辺では、フルマカモメ・トウゾクカモメなどの海鳥の姿を見ることも出来る。イシイルカは体長は2.2メートルほど。シャチのような黒と白の体色が特徴。動きが早く、波間を飛ぶように泳いだりする。マッコウクジラ、体長は15~18m。知床で見られる最も大きなクジラ。運が良ければ潮を吹いている様子も見られる。アイヌの人々が「レプンカムイ(沖の神)」と呼んだ「海の王者」・シャチに会うことも。30頭ほどの群れを組んで泳ぐこともある。
知床八景のひとつでもあり、その静かなたたずまいから「乙女の涙」とも称される「フレペの滝」が船上から見える。地下水が岩肌から噴出し、幾筋も流れ落ちる「湯の華の滝」。すぐ近くにある「乙女の涙」の背中あわせにあり、「男の涙」と呼ばれる。共に水源は岩肌からしみ出す地下水で、上部に川などなく、何とも不思議な滝。観光船では海上からその全景を楽しむことができる。

  • 観光船

カムイワッカの滝は知床八景でもある名瀑。知床連山の一つ「硫黄山」に端を発する滝で、温泉が流れ出す。滝の湯に含まれる硫黄が周辺の海水をエメラルドグリーンに変えている。ヨウシペツの滝は観光船からしか見られない滝。落差は80mで、知床最大級の迫力ある滝。知床連山のひとつ「硫黄山」から流れ落ちることから「硫黄の滝」ともいわれる。硫黄で岩肌が赤褐色に変色している。
海岸にはヒグマが出没。日本で生息する最大の陸棲哺乳類。100キロを越えるものも多い。
今回は世界に誇る自然遺産「知床」の生き物の魅力をご紹介します。

  • 海辺を歩く親子のヒグマ