15
2015.07.12
清涼の高原と“東洋のナイアガラ” ~尾瀬・吹割の滝~

今回ご案内するのは、国定公園、国の特別天然記念物、ラムサール条約登録地、日本百景。多くの称号を有し、国内外から守られている尾瀬。そして、“東洋のナイアガラ”と称される、圧巻の名瀑「吹割の滝」をご紹介。今回は水辺の絶景をお届します。

  • 吹割の滝1

尾瀬ヶ原は標高1,409m、山々に囲まれた東西約6km、南北約2kmの盆地に広がる広大な湿原。本州最大、世界有数の高層湿原で、植物の宝庫。年間およそ34万人の登山客が訪れる尾瀬の中心地。そんな尾瀬の中心地、尾瀬ヶ原を見下ろすようにそびえるのが、日本百名山の一つ、至仏山。燧ケ岳(ひうちがたけ)は至仏山とならび、尾瀬を代表する日本百名山の名峰。標高は2356mで東北で最も高い山。噴火で出来たごつごつした5つの山頂を持つ連峰。雄大な山々の噴火によって、尾瀬ヶ原は、約1万年前に出来た。

  • 尾瀬
  • 尾瀬ヶ原から燧ヶ岳

尾瀬には、地塘(ちとう)という直径2m~100mまでの大小様々な池がある。「竜宮」はそんな尾瀬ヶ原にある名所。流れてきた川が一旦、湿原の下に吸い込まれて伏流水となり、木道を隔てた反対側に湧き出すという、何とも不思議な池。大正10年に発見されたこのトンネルに当時の人々は驚き、竜宮まで通じているのではないかといわれたことからその名がついた。

豊かな自然が守られている尾瀬は、生き物たちの楽園。雪解けが進む6月上旬、尾瀬で見られる初夏の花「リュウキンカ」「ショウジョウバカマ」「ザゼンソウ」「タテヤマリンドウ」そんな尾瀬の草花を育むのが、豊かな水の恵み。湿原にある池や川は、只見(ただみ)川(がわ)、阿賀野川と名を変えて新潟を流れ、遥か日本海へと注ぐ。尾瀬ヶ原から川に沿っていくと、豪快な滝が見られる。落差100メートル、幅30メートルもの壮大な滝「三条ノ滝」。日本の滝百選に選ばれている。水量が減ってくると三筋に分かれるのが名前の由来とされる。尾瀬の水が全てこの滝に集まるため、雪解けの季節は轟音を立てて流れ落ちる。水芭蕉が咲く静かな尾瀬とは一変、自然への畏怖を感じる光景。

  • 尾瀬 水芭蕉

尾瀬の玄関口・片品村を流れる片品川が作りだした渓谷を下流から上流へと遊歩道を進むと見えてきたのは「鱒飛の滝」。落差は15メートル。幅は6メートル。滝壺は美しいエメラルドグリーン。吹割の滝から流れてくる膨大な水が一挙に集まるためすさまじい水量。昔、鱒が懸命にこの滝を越えようと飛び跳ねていたことからその名がついたといわれる。「吹割の滝」は国の天然記念物及び名勝。高さ7m、幅30mにおよび、ごうごうと落ち、飛散する姿から東洋のナイアガラと称される。川の流れが、凝灰岩と花崗岩の軟らかい部分を浸蝕して多数の割れ目を生み、その割れ目から落ちる水が滝となった。1万年かけて出来た名瀑。一見、巨大な岩が二つに吹き割れたように見えるところから「吹割の滝」と呼ばれるようになった。

  • 吹割の滝2
  • 吹割の滝3

豊かな大地が育んだ自然美の宝庫。涼やかな水辺の絶景は、人々を魅了してやまない。