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2015.06.21
“山”を楽しむ上高地 ~日本初の山岳リゾート~

今回ご案内するのは、前回に引き続き、長野県松本市・上高地。国の特別名勝、特別天然記念物に指定され、「自然の国宝」とも称される。3,000メートル級の山々が連なる北アルプス。

  • 岳沢湿原の木道

その山深く、標高約1,500メートルの梓川沿いに広がるのが上高地。多くのアルピニストを魅了する槍穂高連峰への登山基地ともなっている、日本屈指の山岳景勝地。登山をしなくても山の魅力が満喫できる場所。そんな日本指折りの観光地である上高地には、「奥上高地」という知られざる名所や、深山に遅い春を告げる愛らしい花々が咲き誇るスポットがある。上高地は、明治時代になるまでまったくといっていいほど未開の地であった。開国し、文明開化の音がし始め、登山という新たな娯楽がもたらされた明治に脚光を浴び始める。

その発端となったのが、上高地を世界に発信した英国人宣教師、ウォルター・ウェストン。明治29年に著した『日本アルプス登山と探検』の中で、自らが登った上高地と穂高連峰などを広く世界へ称賛したことにより、上高地の名は知られるようになった。それまで日本の登山とは「神仏への信仰や修行」、「狩猟など生活するため」の場であったが、ウェストンがレジャーとして広く知らしめたことにより、登山が娯楽となった。

  • 河童橋と穂高連峰
  • ニリンソウ

そのため、彼は「日本近代登山の父」として今日でも広く称えられている。上高地は、ウェストンが愛した北アルプスの魅力が登山をしなくてもが味わえる場所。標高2931メートルの「明神岳」は、かつて「穂高大明神が鎮座する山々」という意味で、穂高連峰全体をさす言葉として使われていたという。神が住まう場所という上高地の地名の由来ともいわれる。

  • 明神岳

標高2455メートル、長野県と岐阜県の県境にある北アルプス唯一の活火山「焼岳」。梓川の上流にある「上高地の奥座敷」「奥上高地」と呼ばれる名所。今回は国の特別名勝、特別天然記念物、国定公園にも指定され、守られ続けている自然の宝庫「上高地」の山々が作り出す魅力をご紹介します。

  • 焼岳
  • 大正池と焼岳