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2015.05.31
世界遺産の極楽浄土 ~岩手県平泉~

今回ご案内するのは、2011年に「仏国土 浄土を表す建築・庭園および考古学的遺産群」として世界遺産に登録された平泉。

奥州藤原氏が拠点とし、理想の極楽浄土を目指した町。当時は平安京に次ぐ大都市として栄えた。今も荘厳な寺院や美しい庭園跡が点在している。奥州藤原氏は、前九年の役・後三年の役の後から、およそ100年間、陸奥・平泉を中心に東北地方一帯に勢力を張った豪族。1189年、源頼朝の28万余の大軍に攻められ炎上。奥州藤原氏は滅亡した。

奥州藤原氏の屋敷跡「柳之御所」。奥州藤原氏三代秀衡が一晩で築いたとされる人口の山「金鶏山」。この山を中心に、奥州藤原氏は平泉の町を造ったという。奥州藤原氏の屋敷跡と繋がるように造られたと伝わるのが、同じく三代秀衡が造営した世界遺産のひとつ「無量光院跡」。

  • 金鶏山
  • 無量光院跡

無量光院跡ともうひとつ、世界遺産に登録されている往時の伽藍跡が残る史跡公園「観自在王院跡」。観自在王院の隣には、夫の基衡(もとひら)が建立した世界遺産「毛越寺」があり、完璧な浄土庭園が残る。

  • 観自在王院跡
  • 毛越寺

西暦850年、天台宗の総本山・比叡山延暦寺の高僧・慈(じ)覚(かく)大師(だいし)が開山した古刹。 藤原氏二代基衡から三代秀衡の時代に造営された。現在大泉が池を中心とする浄土庭園と平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な状態で保存されており、国の特別史跡・特別名勝の二重の指定を受けている。

  • 毛越寺本堂

世界遺産・平泉、数ある名所が見せる光景の中で最も美しいのは中尊寺・金色堂。 金色堂は中尊寺創建当初の姿を今に伝える建造物で、西暦1124年、初代藤原清衡によって上棟された。極楽浄土の有様を具体的に表現しようとした清衡の切実な願いによって、往時の工芸技術が集約された御堂。

  • 中尊寺本堂

奥州藤原氏が、豪華絢爛な「金色堂」をはじめとした極楽浄土を造ろうとした理由。 それは、初代・清衡の切なる願いからだった。清衡が建立した中尊寺、二代基衡が建立した毛越寺、三代秀衡が建立した無量光院。過去・現在・未来をあらわす釈迦・薬師・阿弥陀を本尊とする三寺院を平泉に建立した奥州藤原氏。戦乱の世を生き、命の尊さを痛感した清衡は、時空を越え、すべての生きとし生けるものを浄土へ導きたいと思い、拠点とした平泉に極楽浄土を造ろうとしたのだ。

  • 中尊寺金色堂

今回はそんな世界遺産・平泉をご紹介します。