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2015.05.10
世界遺産の名園~京都・二条城~

今回ご案内するのは、京都府京都市にある、世界遺産「二条城」。 江戸幕府を開いた徳川家康が、京都の警衛と上洛(じょうらく)したときの宿にするために造営した城で、美しい3つの庭園があることで知られます。今回はその庭園の魅力をあますところなくご紹介します。

「清流園」
アメリカの日本庭園専門誌で第5位に選ばれた庭園です。その名の通り、清らかな小川が流れています。そんな清流園の西側は、茶室など二棟(ふたむね)の建物を含めた池(ち)泉(せん)回遊式(かいゆうしき)山水(さんすい)園(えん)という和風庭園になっています。池のほとりに咲くサトザクラが、紅一点(こういってん)、あでやかな春の色を添えています。南側は、ヤマザクラとソメイヨシノが散策(さんさく)路沿(ろぞ)いに咲き乱れ、桜のトンネルに。清流園を含め城内全域には、およそ400本・50品種の桜があります。清流園の東側は、城内でも特に桜の多い名所。八重(やえ)の紅(べに)シダレザクラが、可憐な桃色の花を咲かせます。たおやかなシダレザクラが、芝生の緑に映えます。爽やかな春の風景です。

  • 清流園(春)

その他にも、エドヒガンザクラ・サトザクラ・ヤマザクラと様々な種類の桜が一堂(いちどう)に会(かい)します。そんな見ごたえのある二条城の桜が、さらに美しいたたずまいを見せるのが、ライトアップです。城内の建造物や200本を超える桜、庭園が、光をまとい、神秘的な光景を作りだします。

  • 桜1
  • 桜2

「本丸庭園」
明治に桂宮邸の移築を期に、枯(かれ)山水(さんすい)庭園となり、その後、明治天皇の命(めい)を受けて「芝庭風(しばにわふう)築山式(つきやましき)庭園」に大改造され、今に至(いた)ります。月見(つきみ)台(だい)の築山(つきやま)を配(はい)した芝生の広場に、曲線(きょくせん)的な園(その)路(ろ)。丸く刈り込まれた植え込みや芝生の広がる景色は、ヨーロッパの庭を意識したもの。明治中期に流行した、洋風庭園の影響を受けているといわれます。広々とした緑の庭園は、すがすがしさに包まれています。そんな本丸御殿を取り囲む内堀(うちぼり)の周りは、花の名所となっています。

  • 本丸外観
  • 通路から御殿

こちらは、色も形も違う、様々な品種が咲き誇る「桜の園(その)」。 シダレザクラが咲き乱れる花の道。思わず感嘆のため息がもれてしまうほどの華やかさ。桃色のカーテンのように、桜並木が続いています。しみじみと感じる、日本の春の素晴らしさ。心に染(し)み入(い)る風景です。

「二の丸庭園」
徳川家康が二条城を造営した同時期に作庭(さくてい)された、城内最古の庭です。庭園の中心を担(にな)う池には、蓬莱(ほうらい)島(じま)と呼ばれる島が浮かび、その南側には鶴島(つるしま)が、北側には亀島(かめしま)が配(はい)されています。仙人が住む楽園「神仙(しんせん)蓬莱(ほうらい)の世界」を表わしたという。この庭を造ったのは、江戸時代初期、幕府の作事(さくじ)奉行(ぶぎょう)となり、優(すぐ)れた庭園を残した小堀(こぼり)遠州(えんしゅう)。 大(おお)広間や黒書院などの建物すべて、あらゆる角度から素晴らしい眺望(ちょうぼう)が得(え)られるように設計されていることから、「八陣(はちじん)の庭」とも称されます。

  • 二の丸御殿
  • 大広間から

大政奉還という歴史の大舞台となった、徳川の栄枯(えいこ)盛衰(せいすい)を物語る旧跡(きゅうせき)、二条城。 江戸・明治・昭和、三つの時代に造られた名園は、日本の歴史遺産に、素晴らしい彩りを添えていました。