「地球★アステク」は、生活に根差した科学情報や明日の知識、ビジネスヒントになるような先端テクノロジーに注目する番組です。全編取材VTRで、テクノロジーの現場から生きた情報をお届けします。
大学の研究室にとどまらず、企業の研究所や工場など、幅広く取材先をセレクト。番組の顔・伊藤洋一は、各回のテーマとなるテクノロジーが明日の経済へ与えるインパクトや課題を、アナリスト視点で鋭く解説。また美人双子姉妹の蒼あんな・れいなは、とかく難しくなりがちな科学技術を、視聴者目線で分かりやすく、時には身体を張って、お伝えします。
また番組コーナーも充実。素朴な疑問をテーマにした「あんな・れいなの教えてセンセイ!」。今日の先端テクノロジーの礎を築いた先人に迫る「アステク ザ★グレート」。番組の締めに、テクノロジーを経済効果の観点から分析する「伊藤洋一のアステク★コンパス」と、盛りだくさん。
#76 「コメの新たな活用法!飼料用イネ」
/独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所ほか (12/09/13)
今回は、日本人にとって切っても切りはなせない「米」。今、我々が食べるだけではない、米の新たな活用法が研究されている。
やって来たのは茨城県つくば市にある作物研究所。迎えてくれたのはイネの新品種開発に携わる加藤浩さん。加藤さんが長年研究を続けているのが、今回のテーマ「飼料用イネ」だ。
飼料用イネは家畜のエサとして用いられるイネ。これまで国内の飼料のほとんどは海外からの輸入穀物に依存していて、現在、国内の飼料自給率は約25%。
そこで、少しでも国内で飼料を自給しようと2000年頃からイネの品種開発が進められてきた。3人は飼料用イネが栽培されているおよそ6万坪の水田を訪問。飼料用イネの大きな特徴に驚く。食用の稲より大きく、太い茎。味よりも収穫量が重要なため、あえて大きく作っているという。
そして稲の品種改良の生現場に潜入! 稲の花は8月にしか花を咲かせないため、うだる暑さの中でいくつもの品種の受粉作業を行い、交配が行われていたのだ。
新しい品種を生み出すまでには約10年から15年かかると言われている。しかし現在、その期間を短縮する先端バイオテクノロジーが用いられている。それがイネの遺伝情報の有無を調べるDNAマーカー選抜技術だ。米の固さや、病気の耐性などの特徴を決定する遺伝情報。従来、品種改良に必要なイネの特徴を知るには、収穫し、さらに試験を行なわなければならなかったが、この技術を使えば成長途中のイネのDNAから、特徴を知ることができるのだ。この技術によって、品種改良をより短期間に、より効率的に行えるようになった。
他にも、IT技術を使った米農家を支援するロボット技術なども紹介し、日本の米の未来を切り開き、美しい田園風景を守るテクノロジーに迫る。
【アステク ザ★グレート】角田重三郎(つのだしげさぶろう)(1919−2001)
日本の飼料用イネ研究の礎をつくった農学博士 角田重三郎。1962年、東北大学農学部助教授に赴任した角田は「作物品種の多収性」という研究を始める。これは太陽エネルギーを効率的に利用し、より多収のイネを作る試みだ。折しも国内では、余剰米や輸入穀物の増加により日本の農業は弱体化していた時期。そこで角田は、開発した多収の米を家畜のエサにし、米の新たな活用法を訴えた。角田の日本の農業にかける想いが飼料用イネの開発の礎となった。

