【第47回】2013年2月23日放送
-
船井総合研究所
牧野好和(マキノヨシカズ)さん
船井総研のアジア市場開拓請負人として、アジアの企業に日本の優れた製品を紹介し、自社も顧客も共に発展することができるようなアジア市場開拓の手伝いを行っている。国際契約実務、会社設立実務、安全保障貿易管理、為替管理、貿易実務といった実務面での経験が豊富なため、新規顧客開拓、代理店候補抽出、選定、合弁パートナー選定、英文契約の作成、会社設立手続き代行、現地政府人脈の紹介、FSなど、幅広い実務に対応している。
今回のアジアの風は、月に1度の特別編、ASEAN最大の規模の市場と注目されているインドネシアを特集!
人口は世界第4位の2億4000万人で、右肩上がりの経済成長を続け20年後にはGDPで日本を抜くという予測が立てられています。
そんなASEAN最大の国インドネシアについて、船井総合研究所、インドネシアを中心に東南アジアの市場開拓を専門に行うコンサルタント牧野好和さんにお話を伺いました。
まずは、インドネシアの現状について伺うと・・・
2004年のユドヨノ政権の誕生以来、非常に安定して経済は伸び続け、インドネシアの年齢別人口は若年層が多いため経済発展の伸びしろが大きいと期待が集まっているよと牧野さんは言います。実際、伸び続ける市場で現在特に売れているのが、バイク、自動車。バイクの販売台数はなんと近年100万台ペースで伸び、そして今、巨大な自動車市場も誕生しつつあり、2011年には販売台数はタイを追い抜きASEANでナンバーワンになりました!
そんな伸び続けるバイク・自動車市場の可能性にいち早くし勝機を掴んだのが、滋賀県湖南市にある甲西高周波工業株式会社。この会社は機械部品の強度を上げる金属加工を行っています。こちらで行われている加工は自動車やバイクなどの部品には欠かすことの出来ない工程なので、日本国内には同じ技術を持つ多くの企業が存在します。競争が激しい日本では勝てないと判断した、社長の近藤さんは同業企業が全くないタイへ展開。その先読みが的中し、バイク・自動車メーカーがタイに展開してくると現実で実に90%のシェアを抑えることに成功したのです!先行者利益によって会社を大きく発展させた近藤さんはタイの次に狙ったのがインドネシア市場だったのです。8年前に同業者がいない時期に現地工場を新設。近藤さんの読みが当たり、インでネシアはバイク市場が急成長を遂げ、メーカーからの依頼が殺到し、再びシェア獲得に成功したのです。近藤さんはアジアの市場の成長を先読みし、素早く現地展開を決断する事で右肩上がりの成長を続けているのです。
次に消費市場への戦略を伺うと・・・
BOPと呼ばれる低所得層を狙うべきだといいます。世界の人口70億のうち、40億を占めるBOPは、半数以上がアジアで暮らし、インドネシアに多くのいると言われています。そこに注目していた日本企業は、小分けのパッケージ販売で市場開拓に成功しているのです。
インドネシア展開の秘訣を伝授してくれた牧野さんに、最後に改めて成功の秘訣を伺いました。
「新しい市場に乗り込んでいくというのは、非常にハード。そのハードルが一個乗り越えると次のハードルが必ず出てきて、それが果てしなく思えてしまうというのが、アジアビジネスの特徴と言える。成功した人は、必ずやり抜くということですね。絶対やってやるんだという気持ちでアジアの開拓をしていて、そこの気持ちを最後までずっと維持し続けてほしいと思っています」とアドバイス!
今後も小さな挑戦者のアジアに展開に目が離せません!