アジアの風

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【第40回】2013年1月5日放送

橘井敏弘さん
正和電工株式会社 社長 橘井敏弘さん

1974年家電卸会社を営み、自らトップセールスマンとして働いていたが、設立から18年。胃ガンを患い食べ物を残すようになったとき、食料残渣(ざんさ)に興味を持ち始めた。それからある生ごみ処理機の展覧会で当時糞尿も処理できる生ごみ処理機を見つけ衝撃を受ける。後日それを作っていたメーカーへ行き販売権を買い取り、「バイオトイレ」の開発に取り掛かった。現在は富士山や旭山動物園に設置されるなど、全国約2300台を出荷している。

今回ご紹介した企業は、北海道旭川市にある正和電工。この会社が生み出したのは、これまでの「トイレ」の概念を覆すトイレ、“バイオトイレ”です。水を一切使わない、しかし清潔で臭いもしません。
なんと水の代わりに使うのは木材を製材するときなどに出るオガクズ!オガクズに排泄物を浸み込ませ、スクリューで撹拌(かくはん)し熱することで臭いを吸収し、残った固形物はオガクズに生息している微生物が水と二酸化炭素に分解するという画期的な方法です。

さらに使用後のオガクズは窒素、リン酸、カリの肥料となり土に返すことができるのです。バイオトイレの普及は水の環境問題を考慮した、クリーンな住環境と循環型社会の構築にも繋がるのです。
現在富士山や旭山動物園など全国に約2300台を出荷しているこのユニークなバイオトイレで、農村部も多く下水道設備の整っていないタイとベトナムに展開したいと、橘井社長は考えています。早速現地コンサルタントに採点を依頼すると、タイの結果は15点と高評価。タイでは契約農家を作り、使用後のオガクズを用いて無農薬の野菜を作るなどしてもいいかもしれないという農業立国であるタイならではのアイデアが出ました。ベトナムの結果は16点とまたしても高評価。一個当たりの単価を考えると難しい面もあるが、現地の政府や企業にアピールさえすれば関心があると思うので、最初の導入は富士山での成功のようにお金じゃなくやってくれるところを選ぶといい。ということでした。両国ともチャンスがありそうです!

現地からの嬉しい報告に、社長も「可能性はあるかもしれない」と意気揚々!!
バイオトイレが、アジアのトイレ事情を変える日が来るのも近いかもしれません。

石川幸(いしかわこう)さん 
AGSホーチミン事務所 代表 石川幸(いしかわこう)さん 1992年一橋大学卒、旧富士銀行・みずほコーポレート銀行、
2008年慶応ビジネススクール卒を経て、ベトナムで会計事務所のAGSを創業。
現在はベトナムに進出する日系企業様向けに総合的なコンサルティングを現地で強力にバックアップ。
既に顧客数は100社超、相談件数は年300社超となっている。
ベトナムのM&A、会計/税務/法令/労務等の専門知識+ビジネススキルの両面に精通している。
福田淳(ふくだ・じゅん)さん
株式会社アークビジネスサーチ取締役 海外ビジネスコンサルタント 福田淳(ふくだ・じゅん)さん タイのタマサート大学東アジア研究所などを経て、1997年1月バンコクに日系企業のタイ進出及びビジネス開拓をサポートするARK ENTERPRISE CO.,LTD.をタイ公認会計士らと設立。2008年1月東京に東南アジアの投資相談窓口となる株式会社アークビジネスサーチを設立。現在、東京とバンコクを拠点として東南アジアへのビジネス展開を支援、現職。東京都出身。