アジアの風

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【第11回】2012年6月16日放送ニューメディカ・テック株式会社

前田芳聰さん
ニューメディカ・テック株式会社 代表取締役社長前田 芳聰さん 水質分析器の専門メーカーでエンジニアとして働いた際、水道未普及地帯の飲料水質の悪さを目の当たりにし、1995年にニューメディカ・テックを設立。以後、安全で安心できる飲料水の確保が困難な地下水汚染地域の井戸水を、水道水よりもきれいな水にできる浄水システムの開発に従事。ニューメディカ・テックの浄水器は平成10-15年まで日本で初めて厚生省乳幼児対策助成金浄水器として認定を受け、また緊急災害用浄水器は、第2回「ものづくり日本大賞 製品・技術開発部門」優秀賞を受賞している。

今回ご紹介した企業は、大阪吹田市にある浄水器メーカー「ニューメディカ・テック株式会社」、超高機能浄水器を製造、販売する会社です。この会社を創立したのは、前田芳聰(まえだよしあき)さん、現在57歳。かつて水質分析器の専門メーカーで水道部門の分析器担当セールスエンジニアをしていた前田さんは、水道未普及地帯の飲料水質の悪さに愕然とし、何とか水浄化に貢献したいと思い、今から17年前、1995年に設立しました。

ニューメディカ・テックが開発した浄水器「クリスタル・ヴァレー」は家庭用、業務用、災害用と展開中。高機能浄水器として、家庭から保育、医療機関、更には日本を代表する老舗料亭「本吉兆」まで…全国8000件以上に普及しています。 しかし、どこがどれだけすごいのでしょうか?まずは小手調べ。前田さんはおもむろに烏龍茶、珈琲、お酢を混ぜ始めました。これを浄水しようというのです。これには後藤さんも少々不安顔…。さてお味は!?「まろやかで、美味しい!」と後藤さんも大絶賛!さらに、クリスタル・ヴァレーは海水までも安全な飲料水にしてしまうのだそう。そこで一同、大阪湾へ!海水には飲料水に適さない有害物質も含まれています。しかし簡単な操作1つで、有害物質も塩化物イオンも濾し取った安全な水に変えてしまいました!

ではどんな汚水も浄化する技術とは何なのでしょうか?その秘密はRO膜という0.1ナノメートルという水の分子程度の小さい穴のあいたろ過膜。これを使用することで、水の分子以外の有害な物質を取り除くことができるのです。

しかしここで1つ問題が浮上。RO膜の中には、製造の過程で0.1ナノより大きな穴ができることもあるのです。そこから有害物質がろ過されずに混入されたままになってしまうのだとか。そこで前田さんは逆転の発想で乗り切ります!ろ過膜の穴を小さくするのではなく、RO膜を通す前の段階で、物質同士を固めて大きな物質に変化させ、穴を通過させないようにしたのです!この画期的なアイデアで、どんな有害物質も通さず、安全な水を提供する浄水器が誕生しました。

そんなニューメディカ・テックがアジア市場にかけた思い…。それは「重金属汚染水に苦しむ人々の多くいるアジア諸国に、なんとか安全な水を届けたい」というもの。 アジア諸国の多くは発展途上にあり、急激な工業化により今後一層水汚染問題が拡大することが考えられています。そこで後藤さんは、今後ODA事業に中小企業の技術を積極的に取り入れる傾向があることから、ODAを使ったアジア展開を提案します。 こうして前田さんは、「創業の理念である“汚染地域に安全な水を供給する”可能性が広がった」と、アジア展開への思いを新たにしました。命に欠かせない、安全で美味しい「水」。ニューメディカ・テックの浄水器が、今アジアに向け、動き始めています。

牧野好和さん
船井総合研究所 東京経営支援本部 牧野 好和(まきのよしかず)さん 船井総研のアジア市場開拓請負人として、アジアの企業に日本の優れた製品を紹介し、自社も顧客も共に発展することができるようなアジア市場開拓の手伝いを行っている。国際契約実務、会社設立実務、安全保障貿易管理、為替管理、貿易実務といった実務面での経験が豊富なため、新規顧客開拓、代理店候補抽出、選定、合弁パートナー選定、英文契約の作成、会社設立手続き代行、現地政府人脈の紹介、FSなど、幅広い実務に対応している。
若林 仁(わかばやしじん)さん
独立行政法人 国際協力機構 民間連携室 連携推進部 課長 兼 海外投資課 企画役 若林 仁(わかばやしじん)さん 民間企業とJICAの連携を推進し、民間企業の技術や経験を活かした途上国援助に取り組む。中小企業向けのセミナーも実施し、中小企業の海外展開の動向に詳しい。