【第8回】2012年5月26日放送浅野撚糸株式会社

- 浅野撚糸株式会社 代表取締役社長浅野 雅己さん 1960年生まれ。1969年に父である浅野博さんが創立した浅野撚糸株式会社の二代目社長。2000年代に入ると安価な中国製糸が流通、経営が一気に落ち込む。一時は廃業も迫られたが、撚糸の開発を続け、柔くて軽量、吸水性も高い“魔法の撚糸”を開発に成功。その糸を使い、2007年にはタオル製造のおぼろタオルと共同で、高機能タオル「エアーかおる」を商品化。2012年現在までに累計120万枚売り上げるほどのヒット商品に育て上げ、浅野撚糸は撚糸生産・販売だけでなくタオルの企画・開発と、着実に事業の幅を広げている。
今回ご紹介した企業は、田園が広がる岐阜県安八町で撚糸の製造を手がける、浅野撚糸株式会社(1969年創立)。「撚糸」という言葉、耳にしたことはありますか?糸と糸を撚り合わせてできた新たな糸のことを撚糸と言うのです。
現在浅野撚糸を率いるのは、浅野雅己さん(52)、浅野撚糸と苦楽を共にしてきました。大企業から注文を受ける下請け企業として成長を遂げてきた浅野撚糸、しかし2000年代になると安価な中国製糸が流通。以後、日本の撚糸業は衰退の道を辿ります。浅野撚糸もその煽りを受け、2003年頃から売り上げが激減、従業員を3分の1にリストラし、更には廃業を迫られます。しかし浅野社長は起死回生の思いで新しい撚糸の開発を続けます。
そして生まれたのが“魔法の撚糸”!この糸は、既存の糸よりも伸縮性に富んでいます。当時の浅野さんは、伸び縮みする糸を作ろうと開発を進めていました。水溶性糸と綿糸を撚り合わせ元々かかっている糸の撚りと逆方向にクセをつけると、糸にかかっていた元々のクセと新たに撚ったことによってできたクセが相まって、綿の繊維の一本一本にパーマがかかり、より伸びる糸の開発に成功!これをタオル製造に使ったところ、糸の間に隙間が生まれ、今までのタオルにはなかった吸水性と既存のタオル以上のふっくらした感触を生み出しました!この世界初の技術を取り入れたタオルは「エアーかおる」として2007年に商品化、現在までに累計120万枚を売り上げるヒット商品に育て上げました。
空気を織り込んだ高付加価値タオル、これをアジアに売り出したい!浅野社長のターゲットは、購買力のある富裕層数がアジア最大級の中国。実は浅野撚糸は一度中国でエアーかおるを販売したことがあります。しかし全く売れずに大失敗に終わりました。そんな中国にもう一度チャレンジしたいのだと浅野社長は言います。さらに後藤さんからは、国民の平均生活水準が高くアジアのショーウィンドウ的効果の高い、シンガポールを提案します。
後日各国からのスコアシートが届き、浅野社長は社員を集めて社内会議を開きました。中国は「タオルの価格が非常に高額でありながら使ってみないとわからないという点で不利、高級エステや高級ホテルの販売チャネルにシフトした売り方を」というコメント。シンガポールは「商品と更には企業ブランドを確立すれば、更に価格を上げても市場はある」との嬉しい評価。どの国へどんな戦略で市場展開していけばよいか・・議論は白熱します。
会議を終えた社長…。一度中国で失敗しながらも今も諦めずに後押ししてくれる社員の熱い思いを受け、アジア進出を改めて決意しました。浅野社長の瞳には、笑顔で「エアーかおる」を手に取るアジアの人々の姿が、既に映っているようです。






